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マリファナ(大麻)合法化について考える

   今回の記事は一風変わって、いつものポップカルチャーの話ではなく、もっと社会的な(タメになる?)お話をしたいと思います。題して「アメリカを知る」シリーズ。(シリーズと言っても、今後続くかどうかは僕の気分次第なんですけどね。笑) 社会的と言いつつもできるだけ分かりやすく、そして楽しく書いていこうと思ってますのでどうか最後まで読んでいただけると幸いです。

 

 

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 さて皆さん、上の写真が何だか分かりますか?

そうです、マリファナ(大麻)です。(以下、英語発音マリファナで統一) 日本では、無許可所持だと最高で懲役5年、営利目的の栽培は最高懲役10年というかなり重い犯罪となるマリファナ。しかし、本当にマリファナはそんなに害悪なものなのでしょうか?

ご存知の方も多いかと思いますが、僕が今住んでいるアメリカでは、2013年1月よりコロラド州にて医療用マリファナが解禁、翌年1月には嗜好用マリファナも解禁され、コロラド州以外にも一部州(ワシントン州など)で大麻完全合法化となりました。(もちろん取締りの厳しい州もあります。アメリカは日本と違って国の法律よりも州ごとの権力の方が強いため、こういうことが可能になります。日本では一部県だけ解禁といったことはありませんね。)

ちなみに先日の大統領選に伴う、住民投票で僕の住んでいるカリフォルニア州マリファナの合法化が決定しました。

マリファナ解禁が進む一方で、もちろん規制もきちんと整ってきています。

マリファナを合法に購入できるのは21歳以上、一回に購入できる最大量は約28g、これはだいたい日本円で25,000円相当でこれに税金が20%付きます。アメリカではお酒やタバコをお店で買うのも非常に厳しく、必ずI.D.(身分証明書)が必要となります。マリファナ購入も同様です。

 

以上が簡単な、アメリカの現在のマリファナ事情です。

というわけで、今回はマリファナや進むマリファナ合法化について考えていこうと思います。

 

   まず、アメリカでのマリファナの人の認識について説明しましょう。マリファナに関してだけ言えば、(当たり前ですがコカインなんかの薬物は全くの別です。) アルコールやタバコとほぼ同じぐらい浸透しています。ただこれはマリファナが合法化する以前からの話です。よくアメリカのテレビドラマや映画なんかで高校生がマリファナを吸う描写が出てきますが、あれは脚色ではなく、本当に実際あんな感じなのです。おそらくアメリカの高校生は常習性は別として、ほとんど皆んなが一度は吸ったことあると思います。ただもちろんこれは闇ルートでの入手なので、別の問題がありますが。笑 (前に紹介したNetflixのドラマ『13の理由』でもマリファナを売買する高校生が出てきましたね。)

 

では次に、最初に書いた "マリファナは本当に害悪なものなのか?" という問いに答えてしまいましょう。

結論から言うと、マリファナは既に医学的に、アルコールやタバコより人体への影響が少ないというデータが出ています。また最近ではマリファナの効能の方が研究されてきています。(元々アメリカでは戦後からマリファナの毒性の無さは唱えられてきましたが、効能の方はあまり研究されてこなかったのです。)

マリファナと一概に言っても、大きく分けて2種類あります。

1つ目が、医療用マリファナと呼ばれるものです。これは文字通り医学的に用いられるマリファナのことで、医師による処方のもと使用します。例えば、鎮痛剤の代用として(ご高齢の方の関節痛など)、アルコール中毒への治療などで現在使用さています。(アメリカにはアルコール中毒患者が非常に多いです。マリファナは中毒性が弱いため、断酒する際の治療に使用されています。)  

 

   ではマリファナ合法化によってどんなメリットがあるのでしょうか?

たくさんあるとは思いますが、僕は大きく分けて2つあると思います。

 

1つ目が、先に書いたマリファナを売買する闇ルートの遮断、またコカイン等のいわゆる違法ドラッグの取り締まりに一役かうというものです。

マリファナを合法化することによって、条件さえ満たしてしまえば誰でも簡単にマリファナを購入することができるようになりました。つまりわざわざ闇ルートから購入する必要がなくなったのです。その結果、マリファナ売買を行う闇ルートが減っていきます。実際に、コロラド州の2011年と、マリファナ一部合法化された2013年のマリファナを使用した高校生の数は減ったそうです。

さらにもう1つ、コカイン等の強力な薬物の代替品という側面です。アメリカではメキシコ国境間から、メキシカンカルテル(ドラッグ取り引きで生計を立てているメキシコの組織。イタリアンマフィアや日本のヤクザのようなもの。)によって、コカインをはじめとする薬物の流入が長年大きな問題となっています。(トランプがメキシコ国境間に壁を作る。と宣言している理由の1つですね。) 言うまでもないですが、コカインは非常に強力な薬物であり人体に多大な影響を及ぼします。しかしDEA(麻薬取締局)によると、マリファナ合法化以降コカインの流入数が減ってきているそうです。

 

もう1つのマリファナ合法化による大きなメリットは、ビジネスとしての側面です。

もう一度、最初にマリファナを解禁したコロラド州の話をしましょう。コロラド州マリファナを解禁する前まで、ビジネスが非常にうまくいってなかったそうです。そこでマリファナからビジネスとしての活路を見出し、いち早く解禁しました。その結果、どうなったか?世界中からマリファナを求めて観光客が訪れ、急速に発達したのです。しかもコロラド州マリファナにかけている税金(税率20%)を公立学校の整備等にあてているのです。

でもマリファナビジネスを行なっている人って、どうせギャングの端くれなんかのヤバい人達なんでしょ。と言う人がいるかもしれません。これはたくさんネットにインタビュー記事等が上がっているので見ていただければ分かりますが、現在マリファナビジネスを行なっている人の大半が元々全くマリファナに興味ない人達です。彼ら彼女らのほとんどがマリファナが合法化されたときビジネスチャンスだと思い、前の仕事を辞めて投資したと言う人がほとんどなのです。(分かると思いますが、マリファナビジネスはめちゃくちゃ儲かるそう。) マリファナを扱うにはちゃんとした資格が必要で、皆しっかりマリファナについて勉強しています。

 

 

そんなこんなで急速に発達するマリファナ業界ですが、次はもっとマリファナ自体にフォーカスしましょう。

 

一般にマリファナの吸い方には2種類あります。

 

1つが「ジョイント」と呼ばれるものです。

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これはほぼタバコと同じです。マリファナの葉っぱを紙で巻き、先端に火をつけ吸うだけです。もちろんかなり煙が出ますし、マリファナ独特の強い香りもします。(と言ってもほとんどの人が分からないと思いますが。笑) 

 

もう1つの方法が「ボング」と呼ばれるものです。

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(写真2枚目は、映画『テッド』より)

これはいわゆる水パイプです。先端にマリファナの成分を抽出したものを塗って、そこをバーナーで火炙りにしてパイプの口から煙を吸い込むという方法です。(アメリカの映画やドラマで出てくるのはこっちのタイプが多いですね。) ボングには様々なメリットがあります。まず、煙や臭いがほとんど出ないということです。そのため、屋内で使用することができます。さらにマリファナから成分だけを抽出しているため、濃度が濃ゆく、一回でかなり効くのです。

 

 

以上が一般的なマリファナの吸い方ですが、最近はもっとユニークなものもあります。

例えば、マリファナ・コーラ、マリファナ・コーヒー、マリファナ・クッキー、マリファナ・クッキーなどです。これらはマリファナをもっと使用しやすくしたものですね。(アメリカにはタバコ含めて、煙が全くダメという人も結構いるのでそれへの対策でもあります。)ちなみにお値段はマリファナ・コーラを例にとると、コロラド州でだいたい4缶で2,000円ぐらいだそうです。

ただ、食べ物や飲み物にマリファナを混ぜたものと直接吸うのとでは決定的に違うことがあります。それはマリファナが効き始める時間です。

マリファナを直接吸う方は肺の毛細血管からあがってくるため比較的早く効き始めますが、食べ物や飲み物からマリファナを口にするタイプだと、胃で消化されてから効き始めるため比較的遅いのです。その結果、食べても飲んでも効かないのでもっともっとと摂取し、後から一気にガツンとくるということが起こります。あとは、小さい子供が誤って口にしないように気をつけないといけないことでしょうか。ただこれに関しては、小さい子どもが手に取れないように特殊な鍵付きの入れ物なんかが無料で貰えるそうです。

 

 

   マリファナのもう1つ良い点が、大量摂取しても加害者になりにくいという点があります。例えば、アルコールを飲みすぎて暴れたり、ケンカしたりという話をよく聞きますよね?しかし、マリファナは大量摂取しても脱力するだけなのでそういったことはあり得ません。例えば、パンチしようとしても拳に力が入らないのです。しかし、加害者にはなり得なくても、被害者には十分になり得るので十分に気をつけなければなりません。特に女性。前にも話しましたが、パーティーなどでマリファナのやり過ぎでレイプされるということがあり得ます。

ちなみに、マリファナ摂取によって性欲は全く上がりません。ただ食欲はめちゃくちゃ上がるので、ダイエットしたい人なんかはやめたほうがいいですね。笑

ちなみに、マリファナにもお米と同じように品種がもちろんあります。例えば、空を飛んだような気分になる(いわゆるハイってやつ)ものから、鎮痛作用の強いものなどなど。ここで成分の話をしても面白くないと思うので、やめときますが。笑

 

 

   さて、以上長々とマリファナについて話してきました。僕個人の考えでは、将来的に日本でも医療用マリファナだけでも解禁してくれるといいなと思います。というのもアメリカで医療用マリファナのおかげで楽になっている患者さんたちがたくさんいるのです。僕の知り合いに、足を悪くして車椅子生活の方がいます。彼は医療用マリファナを吸っていますが、それなしだと本当にキツイと言っていました。

ちなみにマリファナが合法化なのは何もアメリカだけではありません。アメリカより前からヨーロッパのいくつかの国で既に合法化されています。

このようなマリファナ論については、いろんなところで論じられています。今回で興味を持った方は、是非色々調べてみると面白いかと思います。

次回のこのシリーズでは、黒人問題(Black Lives Matter)か、銃について取り上げられたらいいなと思います。