今、海外ドラマが最高にアツい!オススメ作品5選

   今回はドラマの話です。英語で "Drama" と言うと、映画などのジャンルの1つとなるので日本語で言ういわゆる「ドラマ」というのは一般に "TV series" と言います。ただこの記事内では、日本語での表現に合わせます。その方が分かりやすいと思うので。

   ところで近年、日本のTV業界は視聴率の低迷に苦しんでいる、とよく聞きませんか?(もっと深刻なのは日本人の映画館離れだと思うのですが、今回は置いておきましょう。) 視聴率の低迷というのは、もちろんドラマだけでなくバラエティー等含めたテレビ全体に言えるとことだと思います。これには様々な理由があります。まず1つ挙げるとしたら単純にコンテンツの不足、つまりテレビの内容自体が面白くないということです。(もちろんこれに反論する人も多数いるでしょうが。) もう1つのテレビ離れの大きな要因は、生活や仕事の多様化によって決まった時間に、決まったチャンネルでテレビを見るという習慣が無くなりつつある、ということがあります。さらに製作側はそんな現代の状況下で、視聴率という非常に曖昧な基準を元にコンテンツを製作しなければならないのです。その結果、生み出されるものといえばくだらない恋愛モノであったり、ネタとして出し尽くされたような刑事モノ、推理モノなわけです。(もしこの記事を読んでいる人の中に、好きな方がいたらすいません。)

 

   では、果たしてアメリカでもテレビ業界は同じような状況なのか?

タイトルを見てもらえば1発で分かると思いますが、答えは「ノー」 です。むしろ反対に、テレビ業界がアメリカのエンタメの中心である映画産業を脅かしているのが事実です。

   ではなぜここアメリカでは、今テレビ業界がアツいのか?それを解説していきます。

 

 

   アメリカのテレビ業界が今盛んな理由はいくつかあります。まず1つ目は、テレビの多チャンネル化です。これは簡単に言うと、テレビが多チャンネル化することによって、ドラマ専門のチャンネルであったり映画専門のチャンネルが生まれることによって、各々のチャンネルがそれぞれで自分たちのドラマを作り出したということです。これによって大きく成功したのは、『ブレイキング・バッド』や『ウォーキング・デッド』、『マッドメン』で知られるamcでしょう。(各作品の詳細に関しては後述) amcはアメリカのケーブルテレビ局です。amcは『ブレイキング・バッド』と『マッドメン』でエミー賞(アメリカテレビ番組のアカデミー賞)にて、数十もの賞を受賞。さらに、『ウォーキング・デッド』ではケーブルテレビ史上最高の視聴率を記録しました。

もう1つはHBOというケーブルテレビ局です。HBOは日本でいうWOWOWでしょうか。視聴者からの視聴料を財源としているため、スポンサーが一切つかず、ドラマや映画放送中にコマーシャルが流れることがありません。そしてHBOの何よりの強みはアンダーラインの部分です。スポンサーが一切つかない、ということはどういうことか?簡単に言ってしまえば、自分たちの好きなようにコンテンツを製作できるということです。例えば、言葉や暴力描写、性描写の規制が普通のテレビ局と比べて格段に緩くなるということです。もっと具体的に言いましょう。一番大きいのは "fuck" という単語が使えるということです。このファックという言葉、日本だと「セックスする」という意味で知られていると思います。たしかに間違いではありません。しかし、"fuck" は魔法の言葉なのです!(なにをいっているんだ。) どういうことかというと、fuckは使い方によって良い意味にも悪い意味にもなるのです。(この記事は海外ドラマの記事なので、あまり詳しくfuckという単語については書きませんが。笑) とりあえず、表現の幅がかなり広がるということだけ覚えておいてくれればいいです。

また、HBOの暴力描写、性描写もハンパじゃないです。暴力描写でいえば、首を飛ぶし、血はバシャバシャ出るし、性描写でいえば、おっぱいどころかおまんまんやおちんちんまで出てきます!

こういったものはコンテンツの幅を広げるのに役立ちます。普通のテレビ局では絶対にできないので、差別化にもなりますしね。

作品名でいくと、ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』やボクシング中継等で知られるHBOですが、今旬なのはなんといってもファンタジー超大作ドラマゲーム・オブ・スローンズです。先に書いたエミー賞にて、現在史上最多受賞を誇り、2015年と2016年に作品賞を2年連続受賞している今最も評価されているドラマです。(この『ゲーム・オブ・スローンズ』の何がそんなにすごいのかは後述する詳しい作品紹介にて。)

 

 

さて、アメリカのテレビ業界がアツいもう1つの大きな理由はNetflixやHuluに代表される、インターネットストリーミングサービスの普及です。ここで少し言葉の整理をします。僕がここで表記する「ドラマ」というのは、もちろん一般にテレビで放送されるものも指しますが、それと同時にストリーミングサービスで配信されるようなドラマも含みます。

ここでは主にNetflixの話をします。

日本でもそこそこ普及してきたNetflixですが、アメリカでの普及率はそんな比じゃありません。若い世代なんかはほとんどみんな持ってるんじゃないか、という勢いです。

元々Netflixというのは、オンラインレンタルビデオの会社でした。しかし、20世紀終わりに月額制のサービスを開始し、インターネット配信を始めました。これを機に人気が爆発し、今もなお同様の業界内で一位の座を保持しています。Netflixの強みの1つは、HBOと同じくスポンサーがつかないため、何でもかんでも好きなようにコンテンツが作れる、コマーシャルが一切ないことがあります。もう1つの大きな特徴はオンラインストリーミングサービスであることを活かした、全エピソード一挙配信です。僕もそうですが、ドラマってやっぱり一気見する人多いんですよね。通常のテレビドラマだと毎週毎週待たないといけなくて、やきもきしませんか?(この待ってる間が楽しいという人もいますが。) 

今こういったサービスをしているのは、NetflixやHuluだけではありません。あの大手オンラインショップのAmazonも最近自社スタジオで映画やドラマの製作を行っています。(尚、今年度アカデミー賞Amazonスタジオは、主演男優賞脚本賞を受賞した『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(日本公開は5月予定)で、オンラインストリーミングサービスとして史上初のアカデミー作品賞にノミネートされました。) 

しかし、数あるオンラインストリーミングサービスの中で抜群に面白いのはやっぱりNetflixです。実際、アメリカのNetflixでは自社製作のコンテンツが増え、自社製作以外の映画やドラマの配信が減っているにも関わらず、サービス加入者は増えている、というデータがあります。これはつまり、自社コンテンツのクオリティーが非常に高いということです。

またオンラインストリーミングサービスではテレビの視聴率の代わりに、どこの国や地域ではどの作品が人気か、ということが容易に調べることが出来ます。これも自社コンテンツの充実に繋がるというわけです。エミー賞でも多くのオンラインストリーミングサービスの作品が各部門でノミネートされています。

 

 

 

では、これから実際に数ある海外ドラマの中から、オススメの作品を具体的に挙げながら説明していきます。もしこの中に気になる作品があれば、すぐに見始めましょう!

 

 

1,『ウォーキング・デッド

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原題:The Walking Dead

製作: amc

シーズン数: s1-s7(現在放送中)

出演: アンドリュー・リンカン、ノーマン・リーダス

日本での視聴方法: Netflix、Huluなど

 

【解説】

   『ウォーキング・デッド』は友人に勧められて、僕自身が一番最初にハマった海外ドラマです。なので非常に思い入れが強い作品でもあります。

同名グラフィックノベルを原作とし、『ショーシャンクの空に』等で知られるフランク・ダラボンによって企画化されました。(ダラボンは残念なことにシーズン2をもって今作から手を引いています。)

舞台はゾンビによって荒廃したアメリカです。生存者のグループはウォーカーと呼ばれるゾンビから逃れ、安住の地を求める中で、様々な困難に直面します。なんといっても『ウォーキング・デッド』が魅力的なのは人間vsゾンビももちろんですが、ゾンビによって荒廃した世界(ポスト・アポカリプス) で繰り広げられる人間関係です。

また『ウォーキング・デッド』の何が画期的だったかというと、ゾンビという元はゲテモノであったジャンルをお茶の間に持ってきたらということでしょう。『ウォーキング・デッド』が映画、テレビ業界に与えた影響は非常に大きいです。

最新シーズンももちろん追っていますが、最近ちょっと停滞気味なのが少し気にはなります…(それでも視聴率は毎週ケーブルテレビ局1位)

 

 

2,『ブレイキング・バッド

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原題: Breaking Bad

製作: amc, ソニー・ピクチャーズ

シーズン数: s1-s5(放送終了)

現在、スピンオフ『ベター・コール・ソウル』が同局にて放送中。

出演: ブライアン・クランストン、アーロン・ポール、アナ・ガン他

日本での視聴方法: Netflix、Hulu他

 

【解説】

   「21世紀最高のドラマ」あるいは『史上最高のドラマ』とも称される『ブレイキング・バッド』はS1から批評家から大絶賛を受け、エミー賞では主演のブライアン・クランストン主演男優賞を4年連続受賞、助演のアーロン・ポールが3度受賞、作品賞に5度ノミネートされ、2013年, 2014年に受賞しました。とにかく化け物のようなテレビシリーズです。『ブレイキング・バッド』が素晴らしいのは技術的なところもですが、とにかく役者の演技が凄まじいのでそこに注目して見ていただきたいです。

舞台は、ニューメキシコ。主人公である高校の化学の教師ウォルター・ホワイトは(ブライアン・クランストン)は突如肺がんと診断され、余命わずかと宣告されます。彼は残された期間で、家族のために化学の知識を活かして覚せい剤の一種であるメタンフェタミン(メス)の製造を行い、金儲けを試みます。最初はうまくいくメスのビジネスですが、どんどん深みにハマっていき次第に収拾がつかなくなっていき…という話です。

ブレイキング・バッド』で僕が一番素晴らしいと思うのはシーズンを重ねるごとに、加速度的に評価が上がっていくことです。これはドラマとしては非常に珍しいことです。通常、アメリカのドラマというのは視聴者にウケなければすぐに打ち切りになるし、ウケればなるべく長引かせようとします。その結果、大概のドラマが途中からダレてきてしまうのです。『ブレイキング・バッド』がこうならなかったのは、初めから終わりまできちんとしたビジョンがあり、脚本が非常に練られている、ということです。映画もそうですが、脚本というのはストーリーテリングにおいて核となる部分です。脚本がガタガタであれば、どんなに素晴らしい役者の演技や演出があっても作品全体としては良くならないのです。

最終回は全米で1,000万人以上が視聴し、惜しまれつつフィナーレを迎えたこの大傑作ドラマも非常にオススメです。

 

 

3,『ゲーム・オブ・スローンズ

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原題: Game of Thrones

製作: HBO

シーズン数: s1-s6 (s7は2017年7月から放送予定、s8が2018年夏放送予定で全話終了予定)

出演者: ショーン・ビーンピーター・ディンクレイジエミリア・クラーク

日本での視聴方法: Huluまたはソフト

 

【解説】 

   ついにきました、『ゲーム・オブ・スローンズ』です。今作は僕が一番好きなドラマシリーズです。

ゲーム・オブ・スローンズ』は、ジョージ・R・R・マーティンファンタジー小説氷と炎の歌』を原作とした、魔法やドラゴンが存在する中世ヨーロッパに酷似した架空の大陸ウェスタロスを舞台に多くの登場人物(正確な人数は分かりませんが、台詞のあるキャラクターだけで200人以上いるそうです。)が絡み合う群像劇です。

HBOの看板作品のこの作品こそ現在エミー賞で2年連続作品賞に輝いている、今最もアメリカで人気のシリーズです。

まず、この作品のすごいところはその予算です。なんとパイロット版(実際に長いシーズンを作るためにお試しとして作るもの)ですら500万ドルから1,000万ドルが費やされ、その予算はシーズンを追うごとに増えていき、現状最新シーズンであるシーズン6では全10話に約1億ドル(1話あたり日本円で10億円!これは日本映画の予算と同じぐらいです。)が費やされたそうです。

とにかく映画並みのケタ違いのスケールを誇るのがこの『ゲーム・オブ・スローンズ』ですが、そのクオリティは細部まで徹底的にこだわられています。1つ1つの美術や衣装デザインはどれも本当に美しいです。さらに劇中で出てくるドスラキ語と呼ばれる言語は、なんと言語学者監修のもと実際に言語を作り上げてしまったのです。

また今作は製作HBOということもあり、暴力描写と性描写が半端じゃないです。よく『ゲーム・オブ・スローンズ』が "大人のための『ロード・オブ・ザ・リング』" と言われるのはこれが理由です。(ただ『ゲーム・オブ・スローンズ』はもっと魔法要素の少ないロー・ファンタジーと呼ばれるジャンルなのですが。)

上記の理由から誰にでもオススメできる作品ではありませんが、僕のようにハマる人は本当にハマると思います。

 

 

4,『ハウス・オブ・カード 野望の階段』

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原題: Hiuse of Cards

製作: Netflix

シーズン数: s1-s4 (s5が2017年春から配信開始)

出演: ケビン・スペイシーロビン・ライトケイト・マーラ

製作総指揮: デヴィッド・フィンチャー

日本での視聴方法: Netflixまたはソフト

 

【解説】

   この作品は僕が最初にNetflixに加入した最大の理由であり、アメリカのテレビ業界を革新的に変えた作品です。どういうことかというと、製作のNetflixはこの作品のシーズン1全13話を一挙配信したのです。今でこそ、一挙配信は当たり前のようですが当時としては非常に革新的だったのです。さらに特筆すべきは、監督、製作総指揮に『ソーシャル・ネットワーク』や『ゴーン・ガール』で知られる映画監督デヴィッド・フィンチャー、主演に『アメリカン・ビューティー』でアカデミー主演男優賞に輝いた名優ケビン・スペイシー、という布陣です。さらに複数のエピソードでこちらも『タクシー・ドライバー』や『羊たちの沈黙』で知られる名女優、映画監督のジョディ・フォスターが務めています。ストリーミング作品として初めてエミー賞を受賞した作品でもあります。

ストーリーは、ホワイトハウス入りを目指す下院議員フランク・アンダーウッドが米大統領の座へ上りつめる、というものです。(かなり簡単にまとめましたが、実際のストーリーはもっとすごいことになっています。ただ若干ネタバレになりそうなのであえてここではふせます。)

この『ハウス・オブ・カード』の特徴は、「第四の壁を破る」というものです。この演出は最近だと、アカデミー賞にノミネートされた『マネー・ショート 華麗なる大逆転』やアメコミ映画『デッドプール』等で使われていました。この手法がどういうものかというと、登場人物がカメラに向かって観るものに語りかける、というものです。これは元の原作であるイギリスのドラマ及び戯曲『リチャード3世』を踏襲しているそうです。

超一流のキャスト、クルーが揃っていることもあり作品自体のクオリティーは半端じゃないです。政治ドラマなのでかなり観る人を選ぶとは思いますが非常にオススメのシリーズです。

 

5,『ストレンジャー・シングス 未知の世界』

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原題: Stranger Things

製作: Netflix

シーズン数: s1 (2017年10月にs2配信予定)

出演: ウィノナ・ライダー、デヴィッド・ハーバー他

日本での視聴方法: Netflix

 

【解説】

   昨年、Netflixで配信され話題騒然となったSFホラードラマ。

舞台は1980年代アメリカはインディアナ州。そこで少年ウィルが失踪する。彼の母親(ウィノナ・ライダー)や友人たちは捜索を始める。その翌日、謎の能力を持った少女が現れ、事態は大変なことになっていく…。

この『ストレンジャー・シングス』の企画は、あらゆる局で却下され最終的にNetflixへと行き着いたようです。(この企画を拾い上げるNetflixの先見の明もお見事としか言いようがない。)

『ストレンジャー・シングス』は、80年代の作品に多大な影響を受けています。『スター・ウォーズ』はもちろんのこと、スピルバーグ監督の『E.T.』や、ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』、『スタンド・バイ・ミー』、『グーニーズ』などなど…挙げだすとキリがありせん。このあたりの作品が好きな人は間違いなくドンピシャでハマります!(80s音楽、映画大好きの僕がまさにこれでした。)

一応は全8話のドラマですが、実際は一本の大長編映画のような作品です。まだシーズン1しか配信されていませんし、(シーズン2が今年のハロウィン配信予定) 気軽に追いつくことができるので非常にオススメです。

 

 

 

   いかがでしたでしょうか。今回の記事では、アメリカのドラマ業界の今と具体的なオススメ作品5つを紹介させてもらいました。まだまだオススメ作品はあるのですが、それはおいおいTwitter等で紹介していけたらなと思っています。

海外ドラマに興味はあるけれど実際にまだ手をつけてない、 というような人って実は結構いるんじゃないかなと思います。そういった方への興味促進に繋がれば嬉しいなと思います。

僕個人のとしては、まずはNetflixの加入(プランは真ん中がオススメ)がオススメです。上記で紹介した5つのうち『ゲーム・オブ・スローンズ』を除く4つを視聴することが可能ですし、Netflix製作のオリジナルシリーズは総じてクオリティーが非常に高いです。

もう1つは、ドラマの強みは映画と違って気軽に見れることだと思います。まずは片っ端からシーズン1の1話を見てみて、自分の好みを見つけるのが良いと思います。