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デンマークの鬼才、ニコラス・W・レフンの世界

   昨年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、賛否両論を呼んだ作品が1/13に日本でも公開されます。

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『ネオン・デーモン』(原題: The Neon Demon)

監督: ニコラス・ウィンディング・レフン

出演: エル・ファニングキアヌ・リーヴス

あらすじ: 誰もが羨む美貌を持つ主人公ジェシーはトップモデルを目指しロサンゼルスに移り住む。特別な存在の彼女はすぐにトップモデルとしての道を歩み始めることに。しかしそんな彼女を妬む友人やモデルたちがジェシーをどんな手を使ってでも引きずり降ろそうとし始める…。

 

 

   冒頭で、"鬼才"と表現した監督のニコラス・ウィンディング・レフン。彼はデンマーク出身の映画監督です。まずなんといっても彼の名前を一躍有名にしたのが、2011年の映画『ドライヴ』。

 

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『ドライヴ』(原題: Drive)

監督: ニコラス・ウィンディング・レフン

出演: ライアン・ゴズリングキャリー・マリガンブライアン・クランストン

あらすじ: 闇の稼業に手を染めた孤独なスタント・ドライバーが、愛する女性のために裏組織に戦いを挑む姿を描く。卓越したドライビング・テクニックを持つ寡黙な男。昼は映画のカースタントマンとして活躍する一方、夜には強盗の逃走を手助けする闇の仕事も請け負っていた。そんな彼は、夫が服役中の人妻アイリーンと親しくなる。やがて夫が出所してくるが、彼は服役中に作った借金のせいで強盗を強要されていた。男はアイリーンのために夫の強盗計画を手助けするのだが…。 (TSUTAYA onlineより引用)

 

   レフン監督はこの映画でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。一躍その名を全世界に轟かせました。主演のライアン・ゴズリングがその年のアカデミー主演男優賞にノミネートされなかったことに対して、俳優のラッセル・クロウがアカデミー会員にブチ切れるという事件もありました。さらにこんなエピソードも。もともとこの『ドライヴ』はヒュー・ジャックマン主演でメジャースタジオの別企画として進んでいました。しかし企画が頓挫し、主演がライアン・ゴズリングへ移ります。そこで雇用契約(?)の一部に主演俳優が監督を指名できるという権利が含まれていたらしく、ライアンはレフン監督を一本釣りしたそう。

結果的に、『ドライヴ』はかなり異質で不思議な映画になりました。しかし一部には熱狂的なファンを持ちます。(僕もそのうちの1人ですが。)

例えば、劇中で主人公の名前が一切出てきません。("ドライバー"とだけ紹介される。)それからセリフが極端に少ないです。(どうもこれは脚本に元々あったものをレフン監督が取っ払ったらしい。)しかし、ライアンの演技力が素晴らしいので観客は、セリフがなくてもドライバーの人間性がわかるのです。そして、画面がとにかく美しく、カラフル。これはレフン作品の特徴でもあります。実はこれには訳があって、レフン監督は色弱のため中間色が普通の人より見えにくいそう。従って、あえてビビッドなカラーを使っているらしいです。

 

   内容についてはとりあえず、観て欲しいので敢えて何も詳しいことは書きませんが1つだけ。この映画のとある場面で、近年稀に見る映画史上に残るであろう「名キスシーン」が出てきます。美とバイオレンスが共存するレフン監督にしかできない素晴らしいシーンです。ここで照明の当て方に注目して観てみてください。もっと簡単に言えば、光の使い方ですね。(アメリカの映像の勉強では、ここのクリップが教材として使われるそうですよ。)

 

 

 

   そしてようやく、レフン監督最新作『ネオン・デーモン』のお話。実はこの映画僕の記憶が正しければ、アメリカに来て最初に観た映画なんですよね。(たぶん)あとAmazon studioが配給なので北米のAmazonではプライムビデオで観れるので、もう一度見直しました。最初に観たときにツイートしたと思うんですけど、とにかくこの映画「変態」です。(もちろんいい意味で!)セクシャルな意味の「変態」ではなく、どちらかというと「気持ち悪い」というニュアンスでの「変態」です。(セクシャルなシーンもありますが。)

まず、主演のエル・ファニングですよ。ここでポイントなのが、ちょうどエルが18歳になったとのことで、より過激な演技をさせることができるようになったこと。彼女、本当に素晴らしい女優さんなんですよね。個人的には今年度アカデミー主演女優賞ノミネート級の演技だと思います。(ただ現実的にはないと思いますが。笑 もしノミネートされたらサプライズですね。) ただ、おそらくいずれはそういった演技派の役者になることは間違いないと思います。そして、そのきっかけとなるのがこの『ネオン・デーモン』でしょう。アメリカでもうすぐ公開の"20th Century Women"でも演技が高く評価されているみたいですね。こちらももうすぐアメリカ公開ベン・アフレック監督、主演の『夜に生きる(原題: Live by Night)』でも主要キャストの1人を演じています。着実にキャリアを伸ばしていって嬉しい限りです。

そういえば、これは駄話ですが冒頭でも書いたカンヌ国際映画祭にて、レフン監督とエル・ファニングがレッドカーペットでチューして、エルのファンが怒っていました。笑

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   今回は、僕も大好きなニコラス・W・レフン監督と彼の監督作『ドライヴ』と『ネオン・デーモン』のザックリとした紹介でした。

 

 

   そして、次回予告ですが次回は映画会社としてのディズニーというテーマで書こうと思っています。これも度々ツイートしていますが、特に近年のディズニー映画(自社スタジオ、自社アニメーションスタジオ、ピクサースタジオ、マーベルスタジオ、ルーカスフィルム含む)は90%と言っていいでしょう、映画としての出来が凄まじいぐらい素晴らしいです。それは批評家受けだけでなく、興行収入としても大成功しているわけです。昨年2016年は、全世界で約70億ドル(約8200億円)、業界新記録を樹立しました。以下、シネマトゥデイさんより引用。

   ウォルト・ディズニー・スタジオの傘下であるディズニー、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ、ピクサー・アニメーション・スタジオ、マーベルスタジオ、ルーカスフィルムがそれぞれ手掛けた映画がすべて公開されたのは今年が初めて。

   2015年の年末に封切られた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の累計興収のおよそ37%が2016年に稼いだものとなっているほか、マーベルヒーロー同士の衝突を描いた『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、ピクサーの傑作アニメ『ファインディング・ニモ』の続編『ファインディング・ドリー』、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオからは動物たちが登場人物の『ズートピア』と南の島を舞台に16歳の少女の冒険を描いた『モアナと伝説の海』、そして名作アニメを最先端技術で実写化した『ジャングル・ブック』に、日本では来年1月27日に公開予定のベネディクト・カンバーバッチ主演『ドクター・ストレンジ』が貢献した。

この映画会社ディズニーの特に近年の大躍進の理由とは何なのか?こういったことに関して解説します。